オルカンだけで本当に大丈夫?

新NISAを「わたし仕様」にするためのFP的ヒント

はじめに:オルカンだけで、本当に大丈夫?

新しいNISA制度が始まり、投資を始める人が増えています。 その中でも特に人気なのが「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)」です。世界中の株式に分散投資できて、手数料も安く、長期で積み立てるだけというシンプルさが、多くの人に選ばれている理由です。

「これ一本でいい」「迷ったらオルカン」 そんな言葉を目にして、実際に始めた方も多いのではないでしょうか。

でも、投資は人それぞれ。 ライフスタイルや将来の目標、リスクの感じ方によって、最適な選択は変わってきます。 オルカンはとても優れた選択肢ですが、それだけで本当に自分に合っているのか、一度立ち止まって考えてみることも大切です。

この文章では、ファイナンシャルプランナーの視点から、オルカンの特徴を整理しつつ、「自分に合った投資の形」を見つけるためのヒントをお伝えします。 投資に正解はありません。でも、納得できる選択はあります。 そのヒントを、一緒に探していきましょう。

FPの視点①:目的とリスク許容度を見直す

オルカンは、世界中の株式に広く分散投資できる優れた商品です。 ただし、どんなに優れた商品でも、「自分の目的や状況に合っているか」を確認することはとても大切です。

目的によって、選ぶべき投資先は変わる

投資の目的向いている投資スタイルの例
老後資金をじっくり育てたいオルカンなどのインデックスファンドで長期積立
数年後の教育資金を準備したい債券やバランス型ファンドなど、値動きが比較的安定した商品
配当収入を得たい高配当株やETFなど、インカム重視の投資先

「とりあえずオルカン」と始めた方も、一度立ち止まって「何のために投資しているのか?」を見直すことで、より納得感のある選択ができるようになります。

リスクの感じ方も人それぞれ

オルカンは株式100%の商品なので、短期的には大きく値下がりすることもあります。 たとえば、リーマンショックやコロナショックのような局面では、30~40%以上下落することもありました。

こうした値動きに対して「気にならない」「むしろ買い増したい」と思える人もいれば、「不安で夜も眠れない」という人もいます。 どちらが正しいということではなく、自分がどのくらいのリスクに耐えられるかを知ることが大切です。

FPの視点②:成長投資枠の活かし方

新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあります。 オルカンはどちらの枠でも購入できますが、成長投資枠をどう使うかは、投資スタイルによって大きく変わります。

たとえば、つみたて投資枠ではオルカンをコツコツ積み立て、成長投資枠では以下のような商品を組み合わせる方法もあります。

  • 高配当株やETFでインカムを狙う
  • テーマ型ファンド(AI、脱炭素、インド株など)で成長性を取りにいく
  • 債券やバランス型ファンドでリスクを調整する

「オルカンだけ」も悪くありませんが、成長投資枠を活用することで、より自分の価値観やライフプランに合った投資ができるようになります。

FPの視点③:「枠を埋めなきゃ」の焦りに向き合う

新NISAの非課税枠は大きく、年間360万円、最長で1,800万円まで投資できます。 この数字を見ると、「早く埋めなきゃ」と焦ってしまう方も少なくありません。

でも、FPの立場から言えば、NISAは“使い切ること”が目的ではありません。 大切なのは、自分のペースで、無理のない範囲で活用していくことです。

  • 生活費や緊急資金を確保したうえで、余裕資金で投資する
  • 毎月の積立額は、家計に負担がかからない範囲で設定する
  • 市場の動きに一喜一憂せず、長期目線で続ける

焦らず、比べず、自分のペースで。 それが、長く続けるためのいちばんのコツです。

おわりに:自分に合った投資を見つけるために

オルカンは、投資初心者にとっても経験者にとっても、非常に優れた選択肢です。 でも、「みんなが選んでいるから」ではなく、「自分に合っているから」選ぶことが、投資を続けるうえでの安心感につながります。

新NISAは、長く付き合っていく制度です。 だからこそ、最初に少しだけ立ち止まって、自分の目的や価値観を見つめ直してみることが、これからの投資をより豊かにしてくれるはずです。

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