相続における「代償金」とは?損しないための重要なポイント

相続が発生すると、遺産をどのように分けるかが大きな課題になります。特に不動産のように分割しづらい財産がある場合、「代償分割」という方法が選ばれることがあります。そして、その際に登場するのが「代償金」です。

この記事では、代償金の意味や仕組み、注意すべきポイントについてわかりやすく解説します。

💡 代償金とは?

代償金とは、遺産分割の際に特定の相続人が財産を取得する代わりに、他の相続人に支払う金銭のことです。

例:

実家の土地を長男が相続する代わりに、他の兄弟に法定相続分に応じた金額を支払うことで、相続人間の公平性を保ちます。

このような分割方法を「代償分割」と呼びます。

✅ 代償分割のメリット

  • 不動産など分割しにくい財産を共有せずに済む
  • 相続人間の公平性を保てる
  • 財産を売却せずに残せる(事業承継や実家の維持など)

⚠️ 代償金に関する注意点

1. 遺産分割協議書に「代償分割」の記載が必要

代償金の支払いが贈与とみなされないように、協議書に明確に記載しましょう。

2. 代償金の金額が過剰だと贈与税の対象に

取得した財産の評価額を超える代償金を支払うと、超過分が贈与税の対象になる可能性があります。

3. 評価額の算定方法に注意

不動産の評価には「相続税評価額」「時価」などがあり、どれを基準にするかでトラブルになることも。第三者による評価が有効です。

4. 支払い能力の確認

代償金を支払う相続人に十分な資金力があるかを事前に確認しましょう。支払いが滞るとトラブルに発展します。

5. 税務上の扱い

代償分割でも相続税は課税されます。代償金の支払い方法によっては、譲渡所得税や贈与税が発生することもあるため、税理士への相談が安心です。

※参考データとして国税庁HPから抜粋⇒こちら

❓ よくある質問(FAQ)

Q. 代償金は現金以外でも支払えますか? A. はい、可能です。ただし不動産や株式などで代償する場合は、譲渡所得税が発生する可能性があるため、税務上の確認が必要です。

Q. 代償金の支払いが遅れたらどうなりますか? A. 原則として遺産分割協議はやり直せません。支払い義務が履行されない場合は、民事上の請求(履行請求・損害賠償)となる可能性があります。

Q. 相続人が未成年の場合はどうすれば? A. 親権者が代理人となりますが、利害が対立する場合は家庭裁判所に「特別代理人」の選任を申し立てる必要があります。

📝 まとめ

代償金は、相続人間の公平性を保ちつつ、財産をスムーズに分割するための有効な手段です。ただし、法的・税務的な注意点を押さえておかないと、思わぬトラブルや課税リスクにつながることも。

相続は一生に何度も経験するものではありません。だからこそ、専門家の力を借りながら、納得のいく分割方法を選びましょう。

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