どうなるの?相続人のいない財産
こんにちは!
秋山です。
今回は「相続人不存在」について、重要なポイントや注意点
を詳しく解説します。
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相続人不存在とは
相続人不存在とは、亡くなった人の財産を相続する人
がいない状態をいいます。
具体的には、
法定相続人という民法で決められた相続人がいない状態
もしくは法定相続人がいても何らかの理由で相続しない、
できない状態のことです。
例えば、典型的なケースをあげれば、
死亡時に、次の4つの条件を満たしていると
あてはまります。
- 独身(=法律婚をしていない)
- 子ども(養子も含む)がいない
- 両親が既に死亡している
- 兄弟姉妹がいない
つまりは、
両親が死亡している「子どもがいない独身の一人っ子」
です。
社会背景を探る
昨今、少子高齢化によって「独居老人」が増加し、
未婚率が上昇しているため、亡くなるときに
身寄りがいない高齢者が増えてます。
「出生率」5年連続の低下
2020年の人口動態統計によると1人の女性が生涯に
産む子どもの数を示す合計特殊出生率は1.34でした。
前年から0.02ポイント下がり、5年連続の低下。
新型コロナの影響も重なり、今後一段と低下の可能性
は高いと予想されています。
「生涯未婚率」過去最高を更新
「50歳時での未婚の割合」によると、2015年で男性は
23.37%、女性は14.06%と、それぞれ過去最高を更新
しました。同省の推定では、生涯未婚率は今後さらに
上昇し、法定相続人がいないまま亡くなる人の数も
増えるとみられています。
(いずれも厚労省HP参考)
財産の行き先はどうなるの?
相続人不存在の場合、財産はどこに行くのでしょう。
行き先の候補は3つあります。
1.遺言書があれば遺言書で指定された人
亡くなった人が生前に遺言書を作成していた場合、
その遺言書の中で指定された人が財産を相続する
ことになります。
生前お世話になった人や、母校への寄付、
自分の興味関心のある団体への寄付も良いかも
しれませんね。
2.特別縁故者に財産分与
相続人不存在の場合、被相続人と特別の縁故がある
特別縁故者が家庭裁判所に財産分与の申立を します。
家庭裁判所は、その事情を総合的に調査し、
財産分与をするかどうか、その金額を決定します。
※特別縁故者とは、
・被相続人と生計を同じくしていた者(婚姻届けを
提出していない内縁の配偶者、事実上の養子・養親)
・被相続人の療養看護を行っていた人(被相続人の
看護や介護をしていた人)
・被相続人と特別な縁故があった人(遺言書は無くて
も口約束をされていた人、師弟関係にあったなど密接
な関係があった人、被相続人が生前に経営者として
組織に深く関わっていた公益法人・学校法人・宗教法人など)
3.国庫に帰属
遺言書が無く特別縁故者もいなかった場合、もしくは
特別縁故者への財産分与で余った
財産は国庫に帰属され国のものになります。
相続人不存在の場合の手続きと流れ
相続人不存在の場合には、亡くなった人の遺産を
「相続財産管理人」が管理します。
相続財産管理人を立ててもらうには、亡くなった人に
お金を貸していた債権者や、遺言で財産をもらう
ことになっていた人、特別縁故者などの利害関係者や
検察官が家庭裁判所に申立てます。(通常の場合は、地域
の弁護士が担当します。)
相続財産管理人が選任されてしまえば、後はその管理人
が法律に従って財産を整理していくことになります。
最終的に処理が終わるまではだいたい1年前後かかる例
が多いようです。
相続人不存在の場合の手続き上の注意点
以下3点は特にご注意を。
- 相続人がいない人の財産は周囲の人が勝手に処分することはできず、相続財産管理人を選任しなければなりません!
- 相続財産管理人には報酬を支払う必要があります!
- 特別縁故者は家庭裁判所に「相続財産分与の申立て」をしなければ遺産をもらえない!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
上述のように、相続人が不存在となる場合は、相続財産
は最終的に国庫に帰属してしまいます。もしも相続人が
いない場合に、誰か財産を残したい人がいるなら
ば、書面で遺言を残されることをお勧めします。
乱筆乱文どうかお許し下さいませ。
それでは、また。