なぜ認められない?寄与分の判定基準

こんばんは!

秋山です。

今回は相続時の寄与分について、その重要なポイントを絞り

わかりやすく解説したいと思います。

寄与分とは

被相続人の財産の維持や増加に貢献した場合、

他の相続人よりも相続財産を多く分けてもらうことができる

制度のことをいいます。

寄与分が認められる5つの条件

寄与分が認められるには、以下の条件を充たす必要があるのです。

  • 相続人であること
  • 被相続人の財産の維持又は増加に貢献した行為を行ったこと
  • 期待される以上に貢献した行為である「特別の寄与」を行ったこと
  • 無償、或いは無償に近い行為を行ったこと
  • 継続性がある行為を行ったこと

それって言い換えると、

「いくら被相続人に貢献したとしても、その行為が財産の

維持増加に関わらなければ、寄与分としては認められず。」

かつ

「特別な寄与といっても、夫婦や親子として多少身の回りの

世話程度では認められず。」

といった意味にもとれますよね。

寄与分とはどんな行為?

代表的な行為としては、次の5つの型に関わる行為と

いえます。

家事従事型】

被相続人が経営している店を、相続人が10年以上に渡って、

しかも無給で手伝ったケース等です。

金銭出資型】

被相続人に家を建てるために、相続人が土地の購入に

資金援助した場合等です。

療養介護型】

相続人が3年に渡り、仕事もせず四六時中、寝たきりの

被相続人を介護したことで、本来であれば、

介護職員を雇い、その療養介護費として支出すべき

200万円を免除することができた場合等です。

この型の場合、具体例でも示しているように、本来であれば

発生するはずの支出額は明確にしておきたいですね。

扶養型】

被相続人が両足を骨折し、仕事を休職した場合、

生活費の大半を肩代わりした場合等です。

財産管理型】

相続人が所有している賃貸動産の清掃などの管理をして

いた場合等です。

寄与分はどうすれば認められるの?

遺産分割協議の話し合いで、自ら主張することが必要です。

もし、相続人のなかで、寄与分が認められる様な行為を

していた人がいたとしても、その人が何の主張も

しなかったら寄与分はないものとして、相続分は決定

してしまいます。

寄与分を認めてもらうには、その話し合いで相続人全員の

理解を得なければならないのです。

寄与分はいくらもらえるの?

もともと、親族には

扶養義務があることを忘れてはいけません。

それに、寄与分を認めてもらうには、相続人全員の理解を

得なければいけないわけで、スムーズに事を運ばせたい

のであれば、なるべく控えめに設定すべきです。

いまの相場からすると、本来かかるべき或いはかかった

費用に、おおよそ0.7を乗じた額が妥当でしょう。

例えば、

介護日数が300日、介護報酬額が日当で5,000円と仮定

すれば、それに裁量割合0.7を掛けて

寄与料は105万円といったところでしょうか。

紛争になる前に

寄与分をめぐっては、トラブルに発展するケースも

少なくありません。

特に、療養看護型なんかは金銭以外の貢献度の主張なので、

寄与した相続人とそうでない相続人とでは、どうしても

温度差が生まれ、話し合ってもまとまらない場合が多い

のです。

そうなれば、第三者と話し合う調停に移行したり、

それでも決着がつかなければ、審判となります。

ただ裁判となれば、法的根拠に基づく主張が必要なわけ

で、そうなると寄与分の主張は、ほぼ絶望的ですね。

だから、寄与分を主張する人にとって、最初の遺産分割

協議の席が、最も大切な機会となるのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

まずは、被相続人の介護の方法やその役割について

生前から親族間でしっかり話し合っておくことが

必要であり、その上で寄与分についても、お互い理解を

深めるべきです。

実際のところ、介護の大変さは、経験してみないと

わかりません。

だからこそ、介護負担への労いや感謝の気持が

大事なのではないでしょうか。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

それでは、また。

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