何が違うの?遺言書とエンディングノート

こんばんは!
秋山です。
今回は「終活」をテーマにお届けしたいと思います。
「終活」とは、人生の終わりに向けた活動のことを いい、
その終活に必要なアイテムとして、エンディング ノートを活用する
といったケースが多くなりました。
まさしく、人生の終わりに向けて様々なことを綴るノートです。
ここまでなら、知ってる方も多いはずです。
でも、遺言書と何が違うの?と聞かれたらどうでしょう。
もしや同じものと勘違いしてはいませんか?
そこで、あらためてその違いについてお伝えしたいと思います。
Table of Contents
遺書と遺言は全くの別物
どちらも、亡くなった方の最後の思いを伝える 手段としては、
共通しています。
しかしながら、遺言は法律に定められた厳格な方法で 作成しな
ければ、その効力があらわれません。
なぜなら、遺言の力は強力で、その影響も大きいからです。
そのため、内容も大切ですが、形式面のほうが ずっと大切
なものになります。
それに対して、遺書には法的効果はありません。
とは言っても、病院や介護のことを始め、交友関係、 財産、葬儀
のことなど、しっかり記録しておけば、遺族はとても助かるものです。
だって、親の交友関係や財産の状況なんて 子どもだったら、
普通よくわかりませんよね。
エンディングノートは遺書と、その性質上、同様と考えられます。
だとすれば、遺言書と比較してどんなところが違うのでしょう。
大きく4つ考えられます。
4つの違いとは

1.法的効力の有無
上述のとおり、作成の仕方にもよりますが、エンディングノート
には基本的に法的効力がありません。
一方で、遺言書には法的効力があるため相続財産の分割の仕方に
ついては、遺言書の内容に従わせることができます。
言い換えれば、法定相続分よりも優位となります。
2.書き方
エンディングノートには法的効力がないので、書き方は自由です。
市販ものもありますね。
一方、遺言書は決められた形式で書かなければなりません。
決められた形式以外の書き方をすると、遺言書の内容は、
効力を持たず、無効になってしまいます。
3.内容
エンディングノートは書き方だけでなく、書く内容も自由です。
例えば、意識不明になってしまった場合、延命治療のことなど
生前のことについても書くことが可能です。
一方で、遺言書は所定形式なので、
相続財産の処理について書かれていなければ、遺言としての
効力はありません。
4.作成費用
エンディングノートの作成に費用はあまり掛かりません。
拘りがなければ、数百円程度で済むはずです。
一方で、遺言書の作成費用は数百円〜数万円と幅が結構あります。
公正証書遺言であれば作成は数万円と高額になります。
具体的な記載内容について

●エンディングノートに書くべき内容
では、エンディングノートには具体的にどんなことを記せば
いいのでしょうか。
遺書を補完する役割もあるので、次のようなことがあると
家族も助かるはずです。
・ご自身の情報(本籍地や趣味、好きな食べ物など)
・パスワードなどの情報(パソコンやスマホのIDやパスワード)
・医療や介護の希望(主治医や服用中の薬、施設への入所や延命治療)
・葬儀や埋葬の希望(葬儀のスタイルや規模、葬儀方法など)
・ペットの世話(好物やかかりやすい病気など)
・連絡先(友人、知人の連絡先)
・家族へのメッセージ(感謝の気持ちや遺言を補完する内容)
●遺言書に書くべき内容
要件を満たせば、法的効力を発生するものとなります。
・相続分の指定(長男に2/3など分割割合を指定)
・遺産分割方法の指定(長男に自宅、長女に預貯金など)
・遺言執行者の指定
・祭祀承継者の指定
・相続人の廃除
・被相続人の認知
・相続財産の処分
エンディングノートと内容が重複するものもあるので
上手く併用することを心掛けましょう。
また、法的効果を生じますので、専門プロへの事前相談を
お勧めします。
まとめ

いかがでしたでしょうか。
遺言書は死後についての希望を記すことができ、その内容に
法的効力が生じます。
一方で、エンディングノートなどは生前、死後についての
希望を記すことができますが、法的効果はありません。
役割が違うわけですから、どちらがベターというわけでなく
両方作成しておけば効果はあがるはずです。
ここで、心得ておきたいのは、どちらも生前に作成する
必要があるということです。
当然に何かあれば作成できませんし、遺言書は認知等で
判断能力が欠けた後に作ったものは無効です。
要するに、手遅れにならないように意識することが
重要なのです。
残された遺族のことを考えれば、お分かりいただけ
ますよね。早めの準備がいかに大切であることを。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
それではまた。