思い込みが後悔の始まり?遺言の残し方
こんにちは。
秋山です。
ご存知のとおり、遺言書は相続人同士がモメないように
最後の想いを書面にしたものです。
もしも、遺言者の想いが希望どうりに伝わらず、
それが原因で相続人同士のトラブルに発展したとしたら
遺言者は天国できっと悲しんでるはずですよね。
後悔先に立たず!
これからご紹介することは、遺言書作成に当たっての
ひとつの知識としてストックいただけると嬉しいです。
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遺言者より受遺者が先に死亡していたら
民法では、遺言者が亡くなられる前に受遺者が死亡して
いたときは遺贈はその効力を生じません。
要するに、
遺言者よりも先に受遺者が先に死亡している場合
には、遺言書の中の受遺者が受けるべき遺贈の部分は
効力を生じないということです。
ただし、
遺言者が別段の意思表示を行っている
場合は、これに当てはまりません。
例えば、遺言で指定していた受遺者に子があるケースで
受遺者が死亡している場合には、その子に遺贈する
旨の意思表示を遺言書に記していれば、その意思に従う
ことになります。
具体例
では、以下のケースを考えてみましょう。
被相続人には、
法定相続人として長男が1人います。
「長男には自宅土地建物と私の預貯金を相続させる。」
「兄に有価証券を遺贈する。」
もしも、兄が私より先に亡くなった場合、遺言書で遺贈
するとしていた遺産はどうなるのでしょうか。
私の思いとしては、幼いころから親代わりに私の面倒を
見てくれた兄への感謝の気持ちがあるので、
その子である甥に遺産を渡したいと思っています。
このケースでは、兄が遺言者より先に亡くなった場合、
甥ではなく長男がその遺産を相続することになります。
えっ?、親が亡くなっていたら、その子どもが引き
継ぐって聞いたことあるけど??
そんな風に思われた方も少なくないはずです。
この点はとても誤解の多いところで、
「兄が自分より先に亡くなっていたら、兄の相続人
である甥に自動的に遺産が渡される」と思い込んで
いる方がよくいらっしゃいます。
でも、実際のところは、
「兄が自分より先に亡くなっていたら、その部分の遺言
はなかったものと同じになり、兄に渡すとされていた
遺産は遺言者の法定相続人(長男)が相続する」という
ことになります。
甥に遺産を渡したかったら、
「兄が自分より先に亡くなっていたら、その子どもに
遺贈する」という趣旨の「第2順位の受遺者」を遺言書
の中で定めておく必要があります。
遺言者が生前に考えられる対処法
また、受遺者が死亡してしまった場合でも、遺言を書き
直したり、財産の贈与方法を工夫したりすることで、
不測の事態に備えることができます。
①新しく書き直す
遺言書は書き直すことが可能です。遺言書は一度書いた
だけで効力が確定するわけでなく、何度でも書き直せます。
②生前贈与を利用する
生前贈与とは、贈与者が生きている間に財産を贈与する
ことであり、相続開始を待たずして財産を引き継げます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
このように、相続対策については「思い込み」にとらわれて
いるケースも多く、いざ相続が発生してから「こんなはず
じゃなかった」と後悔したり、その「思い込み」がきっかけ
で、予期せぬ相続トラブルにまで発展するかもしれません。
遺産書の内容は、「人間関係のチェック」、「税金対策における
チェック」「民法上のチェック」「遺言の実現に向けたチェック」
など、封を閉める前に再確認すべきポイントが沢山あります。
そのため、遺言書作成の際には、相続・遺言に特化した
専門家に相談してから作成することをお勧めします。
乱文乱筆どうぞお許し下さいませ。
それではまた。