最期は何処で迎える?理想的な終の棲家とは
こんにちは!
秋山です。
定年間近になると、老後の生活に向けて、趣味や仕事、
家族との連絡手段など、さまざまなことを考えるはずです。
皆さんは、終の棲家を検討したことはありますか。
終の棲家とは生涯を終えるまで生活するための住居のことで、
年齢を重ねると、今の家では生活に困難をきたしたり、
介護が必要になったりすることがあるでしょう。
そんなときに備え、元気なうちから住居スペースを検討して
おくことはとても重要なことです。
今回は終の棲家をテーマに、その重要となるポイントを絞り、
わかりやすく解説したいと思います。
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最期の10年は健康でいられない!?
令和元年の統計データによれば、日本人の平均寿命は
女性が87.45歳、男性が81.41歳といずれも過去最高を更新、
今後もまだ平均寿命は延びていくことが予想されています。
しかし、その一方で、健康寿命は、
女性が75.38歳、男性が72.68歳と、平均寿命との間には
約10年の差があるのです。
(厚労省HPより抜粋⇒こちら)
要するに、
最期の約10年は日常生活に支障をきたすような
「健康でない期間」があるってことを意味しているのです。
また、「亡くなる前に介護してほしい場所」について
60歳以上のシニアを対象にしたアンケートでは、
男性は自宅・親族の家が43.7%、施設・医療機関が48.8%、
女性は自宅・親族の家が33.3%、施設・医療機関が58.2%と
男女とも施設・医療機関の比率が高く、
そのなかでも、特別養護老人ホームや老人ホームなどの施設を
希望する比率は、男性で32.5%、女性で35.3%であり、
女性は、自宅・親族の家を上回る結果となっています。
(内閣府HPより抜粋⇒こちら)
子どもに迷惑を掛けたくないといった親の思いと考えれば、
このデータ結果も頷けますね。
事前に準備しておくことは大きく2つ
では、もし終の棲家として、特別養護老人ホームや
老人ホームを希望した場合、どんな準備が必要なのでしょう。
身体状況について
適切なサービスを受けるには、まずは身体の状況をきちんと
把握しておくことが必要です。
なぜなら、施設で提供される介護や医療関連のサービスは
施設ごとに違うからです。
例えば、
- どのような介護サービスが必要か
- 認知症対応は必要か、その程度はどうか
- 日常的な医療ケアが必要な症状はあるか など
資金計画と必要費用について
手持ちの資産や収入の範囲内で、無理のない資金計画を
立てましょう。
介護施設の入居には初期費用と月額費用がかかり、
必要な費用は、施設ごとにかなり差があります。
資産や収入、費用をきちんと確認しておくことが必要です。
例えば、
- 手持ちの資金はどのくらいか
- 年金や生命保険などの収入はどの程度か
- 補助金などは利用できるか
- 初期費用の上限金額はいくらか
- 月額費用はその程度に設定するか など
施設は公的機関が5種と民間機関が6種
では、具体的にどんな施設があるのでしょう。
施設は、公的機関と民間期間に大別されます。
公的期間施設は5種類あり、
利用者にとっては、
費用が安く抑えられることが最も魅力的です。
ただ、その分、利用希望者が非常に多く、順番待ちの状態が
ネックとなります。
一方、民間施設は6種類あり、
公的施設に比べ、費用が高いですが、施設にレクレーション
の場を備えたり充実させています。
施設機関ごとの特徴について
では、それぞれ施設ごとの特徴についてご紹介します。
公的機関
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
要介護者のための生活施設です。
利用者は、原則要介護3以上の方ですが、特例で要介護1・2の
方も利用することができます。
介護保険の利用が可能で、月額費用は、5万円〜15万円程度。
介護老人保健施設
在宅復帰を目指す要介護者に対し、
リハビリ等を提供する施設です。
利用者は、要介護1以上の方です。
「在宅復帰・在宅療養支援のための拠点となる施設」や
「リハビリテーションを提供する機能維持・改善の役割を
担う施設と位置付けられています。
介護保険の利用が可能で、月額費用は、8万円〜14万円程度。
介護療養型施設
病院又は診療所でありながら、必要な医療等を提供する
長期療養施設です。
利用者は、重度の要介護者、急性疾患からの回復期にある
寝たきり患者です。ただし、心身の状態が改善してきたら、
退所を求められることもあります。
介護保険の利用が可能で、月額費用は、9万~17万円程度。
介護医療院
長期療養が必要な要介護者のための施設です。
Ⅰ型・Ⅱ型・医療外付け型の3種類があります。
利用者は、種類によって異なります。
Ⅰ型:比較的重度の要介護者、Ⅱ型:要介護1以上で、
介護老人保健施設と同等、医療外付け型は、要介護1以上の
比較的容態が安定している方です。
高度な医療を受けながら最期まで生活を送れる、「終の棲家」
としての役割もあります。
介護保険の利用が可能で、月額費用は、8万~20万円程度。
軽費老人ホーム
食事がある提供があるA型、食事がないB型、食事と生活支援
があるケアハウスのC型があります。
さらに、ケアハウスには自立型と介護型があります。
利用者は、60歳以上で身寄りがない方、または家族からの
援助が困難な方です。
月額費用は、3万~17万円程度。
民間機関
介護付き有料老人ホーム
24時間介護スタッフが常駐します。掃除や洗濯など身の回りの
生活支援や、食事、入浴、排せつなどの介助サービスが
受けられる介護施設です。看取り看護まで対応している施設が
多く、「終の棲家」としても考えられています。
利用者は、施設で異なりますが、要支援1~要介護の方です。
月額費用は、15万円〜40万円程度。
住宅型有料老人ホーム
有料老人ホーム全体の3割を占めるほどの数が増えています。
施設スタッフによる生活支援サービスや見守りなどのサービスを
受けることができますが、
介護サービスは、外部と契約し、必要に応じて利用します。
利用者は、施設ごとに異なり、自立している方から
要介護1以上の方です。
月額費用は、15万円〜30万円ですが、別途介護サービスの
利用した分のみの費用を支払います。介護サービスについては
介護保険を利用することができます。
健康型有料老人ホーム
生活支援サービスがある健康な高齢者のための施設で、
余生を楽しむための設備が充実しています。
利用者は、自立している方から要支援の方です。健康な方を
対象としているため、介護が必要になると退去しなければ
なりませんが、外部の介護サービスを受けることは可能です。
ただし、軽度の介護までと認識しておきましょう。
月額費用は、15万円〜40万円で、
入居一時金を負担しなければなりません。
グループホーム
認知症高齢者が利用するグループホームと障害者が利用する
グループホームがあります。
高齢者が主に利用するには、認知症のグループホームです。
専門スタッフの援助を受けながら、
5人から9人のユニットで共同生活する小規模の介護施設です。
家事などできることは利用者自らが行います。
月額費用は10万円〜15万円です。
サービス付き高齢者向け住宅
生活支援と安否確認をしてくれるバリアフリー対応の
賃貸住宅で、一般型と介護型の2種類があります。
一般型は、介護サービスを必要な分だけ個別で契約して
受けることができます。
介護型は、生活支援と安否確認、身体介護やリハビリなど
介護度別の定額で介護サービスを受けることができます。
利用者は、比較的介護度が軽い方、自立している方です。
月額費用は、
一般型で5万円〜25万円、介護型で15万円〜45万円程度。
シニア向け分譲マンション
生活をサポートしてくれるスタッフが常駐している
バリアフリー対応の分譲型マンションであり、
個人の資産となり、売買も可能です。
介護や医療ケアに関しては、全く管轄外のように
扱われていますので、期待はできません。
月額費用は、マンション購入時のローンとマンション
としての管理費がかかります。
まとめ
いががでしたでしょうか。
終の棲家は老後の生活や介護、緊急時の対応など、
さまざまなことへの配慮が必要となるものです。
今回ご紹介したような施設に限らず、
ご自身が将来的にどのような生活を送りたいのか、
どの程度のサポートを受けたいのかを明確にしたうえで、
さまざまな選択肢から決定することをお勧めします。
また、家族に自分の意志を伝えておくことも重要です。
家族と自分が住む場所の距離を考えるなど、
立地条件も含めて総合的に検討するようにしましょう。
最期までお付き合いいただきありがとうございました。
それでは、また。