万能な節税商品!?生命保険の活用
皆さんは、生命保険も相続対策のひとつであることをご存知だったでしょうか。
実は生命保険は、税金の非課税枠や控除が利用できたり、受取人を指定したりすることができるので、その仕組からしてよく活用されているのです。
でも、活用方法を間違えると、あとで相続人同士のトラブルに発展するかもしれません。
今回は、相続対策における生命保険の正しい活用方法について解説したいと思います。
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どう分ける?分割できない遺産
もし、相続財産のほとんどが不動産であれば、不動産を取得した相続人だけが大きな利益を得てしまいます。
こうした場合、特定の相続人が不動産を相続する代わりに、他の相続人に現金などを支払い調整する方法をとれば、遺産分割がスムーズに進められるはずです。
この方法を代償分割といいます。
では、次のようなケースを考えてみましょう。
相続財産が被相続人の自宅不動産のみで、相続人が長男及び次男の二人だけだったとします。
もし長男が自宅不動産を相続すれば、次男は相続するものがないので、不公平が生じます。
長男は代償分割も考えましたが、現金を準備することは容易でありません。
こういった場合に、よく活用されるのが、被相続人の生命保険です。
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正しい生命保険の使い方
生命保険は効果的な対策ですが、間違った使い方をすると全く意味を成しません。
誰を生命保険の受取人にするか
先述した兄弟のケースを例に挙げると、保険金受取人は長男を指定しなければいけません。
なぜなら、生命保険は保険受取人が指定されていれば、受取人固有の財産となるからです。
もし、間違えて次男を保険受取人にすれば、遺産分割の対象外となってしまいます。
保険受取人を変更する際は、十分注意してください。
なお、このような相続対策絡みの決め事は、相続人同士合意をした上で、遺産分割協議の中に記載しておいたほうがいいでしょう。
遺言書の作成
生前のうちに遺言書を作成しておけば、遺産分割協議をおこなう必要はありません。
しかし、相続には遺留分制度というものがあり、法定相続分の半分を乗じた割合が遺留分となります。
もしも、遺留分を充たしていない相続人がいれば、遺留分侵害額の請求ができるのです。
「遺留分侵害額」と「保険金」は、必ず切り離して考えることが必要です。
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最後に
いかがでしたでしょうか。
相続発生時、相続人にとって多岐に手続きを踏まないと、自由にならないのが「現金」です。
一方、生命保険金なら、一部を除いて、請求から数日で受取人に渡ります。
この点でも、生命保険の活用は、効果的な相続対策のひとつといえるでしょう。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
それではまた。