葛飾区の子どもたちに“お金の授業”を──家庭から始める金融リテラシー

キャッシュレス決済が当たり前になった今、子どもたちの「お金の感覚」はどう育っているのでしょうか。スマホでの支払い、ネットショッピング、ポイント還元──便利さの裏で、現金に触れる機会が減り、金銭感覚が希薄化する懸念もあります。
葛飾区でも、子どもたちの金融リテラシー向上に向けた取り組みが少しずつ始まっています。たとえば、亀有中学校では証券会社と信用金庫が連携し、「楽しく学ぶお金と仕事」という授業を実施。1億円の重さ当てクイズや、銀行の仕組みを学ぶ体験を通じて、生徒たちは「人生に必要なお金の量」や「投資の仕組み」に驚きの声を上げていました。

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🧠全国調査から見える課題
金融広報中央委員会の調査によると、高校生の金融リテラシースコアは平均60.3%。「保険」や「金融・経済の基礎」は比較的理解されているものの、「資産形成」や「生活設計」は50%未満と低め。特に複利の理解度は36.4%と、資産形成の基本が浸透していないことが分かります。
また、「おこづかい帳をつけている子ども」は全国で16.3%と少数派。キャッシュレス決済の経験は64.4%あるのに、学校での学びは追いついていないのが現状です。
🏡家庭でできる金融教育の工夫
金融教育は学校だけでなく、家庭での会話や体験が大きな影響を与えます。専門家によると、子どもが「ATMからお金が無限に出てくる」と思い込んでいるケースもあるそう。そこで、家庭でできる工夫をいくつか紹介します。
- 4つの貯金箱法:「使う」「貯める」「人のために使う」「増やす」に分けて管理する方法。お年玉などを利息付きで返すことで、複利の仕組みも学べる。
- おこづかい帳の活用:月末に振り返りを行うことで、計画的な金銭管理が身につく。
- 買い物体験の共有:親が支払う場面を見せることで、お金の流れを実感させる。
- ゲームや絵本の活用:金融教育を楽しく学べるツールとして、家庭でも導入しやすい。
🌍地域と連携した学びの場
葛飾区では、地域金融機関や学校との連携による授業が始まっており、今後は商店街や図書館など、地域資源を活かしたワークショップの可能性も広がっています。関東財務局では「親子で学ぼう!金融学習バスツアー」などの体験型プログラムも実施されており、地域ぐるみでの金融教育が注目されています。
✨未来のために、今できること
金融教育は「お金の話をすること」から始まります。タブー視せず、親子で一緒に学ぶことで、子どもたちは「使う力」だけでなく「考える力」も育てていきます。葛飾区のような地域密着型のまちでは、家庭・学校・地域が連携することで、金融リテラシーの底上げが可能になるはず。
そしてここで出番です。FPは資産形成の専門家であると同時に、家庭の“お金の先生”にもなれる存在です。葛飾区のような地域密着型のまちでは、FPが学校や家庭と連携することで、子どもたちの金融リテラシーはもっと自然に、もっと楽しく育っていくはずです。