50代共働き夫婦「老後資金が心配です」──FPが見た“安心材料”と“見落としがちなリスク”
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■ 相談者プロフィール
- 夫:51歳(会社員)
- 妻:47歳(会社員)
- 子ども:なし
- 世帯年収:合計1,000万円
- 住まい:築20年の持ち家(ローン完済)
- 資産:現預金2,000万円、新NISAで月10万円積立
- 保険:夫婦ともに終身保険(払済)、保障額は不明
- 不安:とにかく老後資金が心配
■ FPとしての“現状評価”
まずお伝えしたのは、 「このご夫婦は、老後破綻リスクは高くない」 ということ。
理由はシンプルです。
● 安心材料
- 住宅ローンがない
- 世帯年収が安定している
- 現預金2,000万円の余裕
- 新NISAでの積立が継続中
- 子どもがいないため教育費負担なし
- 終身保険は払済で固定費が増えない
老後の土台としては、かなり良い条件が揃っています。
■ それでも不安が消えない理由
多くの方が「老後資金が心配」と言うとき、 実は不安の正体は次の3つに分かれます。
① 老後の収入(年金)が分からない
→ ねんきんネットで確認していない。
② 老後の支出が分からない
→ 生活費・医療費・介護費のイメージが曖昧。
③ 今の貯蓄ペースで足りるのか判断できない
→ “足りる・足りない”の基準がない。
この3つが曖昧だと、どれだけ貯金があっても不安は消えません。
■ 老後の3大リスクを整理する
老後のリスクは「介護だけ」ではありません。
● ① 介護リスク
公的介護保険はサービス中心で、現金給付はほぼなし。 在宅なら月3〜10万円、施設なら月15〜30万円の自己負担が続くケースも。
● ② 医療リスク
医療費そのものは高額療養費制度で上限があります。 ただし、
- 差額ベッド代
- 交通費
- 収入減
- 自費治療 など“医療費以外の出費”が大きくなる。
● ③ 長生きリスク
90歳・95歳まで生きる可能性が高く、 資産の寿命が追いつかないケースも。
■ FPとしてのアドバイス
今回のご夫婦には、次の3つをお伝えしました。
① 年金額をまず確認する
ねんきんネットで、65歳以降の収入を把握する。 世帯で月25〜31万円が目安になるケースが多い。
② 老後の支出を“ざっくり”でいいので把握する
持ち家なら月22〜28万円が平均的。 旅行や趣味を入れると月30〜35万円。
③ 介護・医療の“現金部分”をどう備えるか考える
公的保険ではカバーしきれない部分を、 貯蓄や民間保険で補うかどうか検討する。
■ まとめ
このご夫婦のように、 「条件は悪くないのに不安が消えない」 というケースはとても多いです。
不安の正体は、 “いくら入って、いくら出るのか”が見えていないこと。
年金・支出・リスクの3つを整理すれば、 老後資金は“数字で判断できる安心”に変わります。

