Suicaデビューと“安心して使える”キャッシュレスの可能性

2025年8月29日 2025年8月29日

秋山隆義

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🟨葛飾の商店街で見えた不安と期待

葛飾区の商店街で、ある高齢の女性と一緒にSuicaの使い方を練習した日のこと。
スマホは持っているけれど、アプリやチャージの操作には不安がある様子で、「間違えたらどうしよう」と何度も確認されていました。

それでも、実際に駅でSuicaを使ってみると、「えっ、もう通れたの？」と驚きの声。
その後は「これなら買い物にも使えるかも」と、少し誇らしげな笑顔を見せてくれました。

この体験を通じて感じたのは、「便利さ」よりも「安心感」が大切だということ。
新しい技術に対する不安を乗り越えるには、誰かがそばで寄り添い、実際に“できた”という成功体験を積み重ねることが何よりの支えになります。

そんなとき、ふと思い出したのが、シニア向け雑誌『ハルメク』で紹介されていたキャッシュレスサービス「KAERU（カエル）」のことです。

このサービスは、認知症や軽度認知障害の方でも安心して使えるように設計されたプリペイド型のキャッシュレス決済。使いすぎを防ぐチャージ式で、買い物リストの通知や家族による見守り機能も備えています。

開発者の言葉に「お買い物は社会との接点。奪われないように支援したい」という想いが込められていて、まさに私がSuicaの体験を通じて感じたことと重なりました。

キャッシュレスという言葉には、どこか“新しくて難しそう”という印象がつきまといます。
でも、誰かがそばで「一緒にやってみよう」と声をかけてくれるだけで、その印象は少しずつ変わっていくのかもしれません。

Suicaを手にしたあの日の笑顔や、ハルメクで紹介されていた「KAERU」のような安心設計を思い出すと、キャッシュレスは単なる支払い手段ではなく、人と人をつなぐ“道具”なのだと感じます。

便利さだけでなく、安心感とつながりを届けること。
それが、これからのキャッシュレス社会に必要な視点なのかもしれません。

あなたのまわりにも、「使ってみたいけど不安」という声があるかもしれません。
そんなときは、ぜひそっと寄り添ってみてください。
その一歩が、誰かの暮らしを少しだけ軽やかにするかもしれません。