空き家の維持費や管理のリアル──“持ち続ける”という選択の先に

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空き家は、静かに費用がかかる
「とりあえずそのままにしている」 そんな空き家が、葛飾区でも静かに増えています。 相続登記は済んだけれど、誰も住まなくなった実家。 時間とともに、家は“空き家”としての顔を持ち始めます。
そして、台風の季節になると「倒壊しないかな…」という不安も。 空き家は、ただそこにあるだけで、費用と責任が発生する存在なのです。
「売るか貸すか、地域とつながるか──空き家の活かし方については、前回の記事で詳しく紹介しています。」
維持費の内訳──見えにくいけれど確実なコスト
空き家を持ち続けるには、さまざまな費用がかかります。 たとえば:
- 固定資産税:特定空き家に指定されると、軽減措置がなくなり税額が上がることも。
- 火災保険・風災補償:空き家だと補償対象外になる場合があるため、契約内容の確認が必要です。
- 清掃・草刈り・害虫対策:業者に委託すると、月数千円〜の費用がかかります。
- 台風後の片付け・修繕費:突発的に数万円〜の出費になることも。
これらは「持ち続ける」選択をした場合に、毎年積み重なるコストです。
管理のリアル──誰がどうやって守る?
空き家の管理は、原則として所有者の責任です。 放置された空き家は、近隣トラブルや行政からの指導対象になることもあります。
定期的な点検や清掃を業者に委託する場合、費用だけでなく信頼できる業者選びも重要です。 「誰が、どこまでやるか」を明確にしておくことで、安心につながります。
解体という選択──“終わらせる”ことで始まる安心
老朽化が進んだ空き家は、解体という選択肢も現実的です。 解体費用は一般的に100万〜200万円前後。 家財整理や近隣への配慮も含めると、時間と手間がかかります。
ただし、放置して「特定空き家」に指定されると、固定資産税の増額や行政指導が入ることも。 早めの判断が、結果的に費用を抑えることにつながる場合もあります。
制度を使う──費用の不安を軽くする道もある
葛飾区や東京都では、空き家に関する補助制度が用意されています。
- 東京都の空き家解体支援事業:条件を満たせば、解体費用の一部が補助されます。
- 葛飾区の空き家相談窓口:制度の案内や専門家の紹介が受けられます。
- 空き家マッチング制度:活用先が見つかれば、解体せずに済む可能性も。
制度を使うことで、費用面の不安を軽くしながら、安心の選択ができるのです。
おわりに:空き家にも“守る選択”がある
空き家を持ち続けるなら、ただ放置するのではなく、備えることが大切です。 維持費・管理・解体・制度──それぞれの視点から、今できることを見つめてみましょう。
次回は「空き家と自然災害──備えとしての選択肢」について、さらに深掘りしていきます。 葛飾区でのリアルな声とともに、あなたの選択のヒントになりますように。