葛飾区再開発で失われる風景、守るべき“らしさ”とは?

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立石駅前が変わる。だけど、変わらないものもある?
葛飾区・立石駅周辺では、今まさに大規模な再開発が進行中。高層マンションの建設、新庁舎の移転、駅前広場の整備など、街の姿は大きく変わろうとしている。 利便性や防災性の向上はもちろん大切。でも、昔ながらの居酒屋街や商店街が姿を消していくことに、寂しさを感じる住民も少なくない。
「のんべえ横丁がなくなるなんて…」 そんな声が、今の葛飾区には確かにある。
タワマンの下でもんじゃを囲む。月島に見る共存のかたち

そんな中、筆者が訪れた月島では、少し違う風景が広がっていた。 もんじゃストリートにはタワーマンションが立ち並び、若い夫婦や観光客が昔ながらの店で鉄板を囲んでいる。常連と新住民が違和感なく混ざり合い、下町文化が自然に受け継がれているようだった。
月島では、再開発と文化の共存がうまく機能しているように見える。 その背景には、地域ブランドとしての「もんじゃ文化」が根付いていること、そして観光地としての価値が再開発の方向性に影響していることがあるのかもしれない。
便利さの裏で消えていく“昭和の香り”
一方、葛飾区の再開発は、都市政策としての合理性が強く打ち出されている。 防災性の向上、人口減少への対応、交通の効率化…。どれも重要な課題だけれど、そこに「地域らしさ」や「人の記憶」が十分に反映されているかというと、疑問が残る。
昭和の香りが漂う飲み屋街、顔なじみの商店、路地裏のぬくもり。 それらが失われることは、単なる風景の変化ではなく、暮らしの質の変化でもある。
月島的アプローチで、葛飾の“らしさ”を未来へ
では、葛飾区でも月島のような“新旧融合”は可能なのだろうか? 答えは、住民の声をどう再開発に取り入れるかにかかっている。 地元文化を守る仕組み、商店街の再定義、新住民との交流の場づくり…。 便利さだけでなく、暮らしの豊かさを育てる視点が、今こそ求められている。
再開発の先に、あなたの記憶は残っていますか?
葛飾区は、これからもっと便利な街になるだろう。 でも、便利さの中に、あなたが残したい“風景”はあるだろうか? 月島のもんじゃ通りのように、立石にも“らしさ”を守る道があるはず。 そのために、今、私たちができることを考えてみたい。