生活継続支援としてのFP ──防災が入口となり、福祉と金融が一本につながる時代へ
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■防災はFPとは繋がらない──そう考えていた時代があった
正直に言えば、僕は以前、 「防災はFPの領域ではない」と考えていた。
防災は行政や自治体の仕事であり、 FPが扱うのは家計・金融・制度の整理。 両者は交わらないと思っていた。
しかし、企業のリスク管理やBCP(事業継続計画)に関わる相談が増えるにつれ、 その考えは完全に崩れた。
■ BCPは“安否確認”で終わらない
企業のBCP対策は、 これまで「安否確認」「連絡網」「事業再開の手順」が中心だった。
だが、実際の現場を見ると、 安否確認の“その先”が抜け落ちていることが多い。
従業員が被災したら── 家が壊れたら、 家族が要介護になったら、 通勤手段が失われたら、 収入が途絶えたら、 子どもを預けられなくなったら。
安否確認が終わった瞬間、 企業は「従業員の生活」という巨大なリスクに直面する。
ここを無視したBCPは、 事業継続の前提が崩れる。
■ 従業員の生活を守るには、福祉制度が不可欠
従業員の生活が壊れたとき、 企業ができることには限界がある。
だからこそ、 公的制度をどう使うかが重要になる。
- 罹災証明
- 生活再建支援金
- 社協の貸付
- 障害・介護サービスの調整
- 休業支援
- 住宅再建の補助
- 家族ケアと就労の両立支援
これらはすべて“福祉の領域”だ。
企業は従業員を直接支援できなくても、 制度につなぐことで生活の基盤を守ることができる。
ここで初めて、 「防災」と「福祉」が一本の線でつながる。
■ そして最終的には“金融”が必要になる
生活が壊れた直後は制度で支える。 生活が安定してきたら、次は家計の再建だ。
- 住宅再建の資金計画
- 債務整理や返済計画
- 再就職までの生活設計
- 介護と仕事の両立の家計設計
- 将来のリスクに備える再構築
ここでようやく、FPの金融知識が本領を発揮する。
つまり、 防災(壊れる) 福祉(支える) 金融(立て直す) という流れが一本の線になる。
■ FPの領域とは
以前は「防災はFPの領域ではない」と思っていた。 しかし、企業リスクを考えたとき、 従業員の生活を守ることが事業継続の前提になると気づいた。
生活が壊れると、 福祉制度が必要になる。 そして最終的には金融が関わってくる。
この流れは、 FPが扱うべき領域そのものだった。
防災は、FPの仕事を広げたのではなく、 FPの本質をより明確にした“入口”だった。

